アールデコは、1920年代に発展し、初めて世界規模で広まった建築及びインテリアデザインの装飾美術様式です。「アールデコ」という名前は、1925年にパリで開催された万国装飾美術博覧会に由来しています。
「Art Décoratifs」の省略形である「アールデコ(Art Deco)」は、曲線を多用した有機的なアールヌーヴォーへの返答でもありました。アールデコは、幾何学図形をモチーフとした記号的表現やシンメトリー(左右対称)デザインが特徴で、集合住宅の窓などの外観やインテリア、絵画や彫刻など、影響は多岐にわたっています。
第一次世界大戦終戦後、街の再建が始まった時代、アールデコが花開きました。シャンパーニュ地方のランスは、街の8割が戦争で破壊され、ほとんどがアールデコスタイルで再建されています。フランス経済の復興により、多くの住宅がアールデコ建築、インテリアで再建されました。
1940年代初頭、アメリカでは抽象表現主義が起こりましたが、アールデコが廃れることはありませんでした。権威ある建物の多くがアールデコ様式で建てられており、現在でもスタイリッシュであり続けているのです。